ジュリエット&二人のロミオ【短編】
「でもよぉ。医者の言う事は正しかったよ!試合に出た日に、傷が悪化して……
もう、一生サッカー出来ねぇ脚になっちまった」
無理して笑ってたけど、目は凄く悲しそうだった。
そんなことがあったなんて知らずに、私……
「ごめんね。私……渋谷君に酷いこと言った」
――単にヤりたいバカじゃん!
「そうだっけ?俺、記憶力ねぇから、すぐ忘れるんだよなぁ」
「渋谷君……」
「藤堂って優しいな」
渋谷君が、優しい顔で私の頭を撫でた。
その手が、凄く優しくて胸がドキドキして止まらなかった。
「俺……藤堂のこと好きかも」