ジュリエット&二人のロミオ【短編】
「だから、全部嘘なんだってば!」
――全部……嘘。
「君がさ~。渋谷や中村と仲良くしてるから」
「渋谷君……中村君?」
「アイツら、俺の物をどんどん奪って……腹立つんだよ!」
今までに見た事のない、先輩の表情。
凄く恐い―――
「渋谷は、俺の女を寝取りやがった。だから、逆にアイツの気に入ってる女を目茶苦茶にしてやろうと思ってね!」
「私?」
「最近、二人と親密にしてたし。それに俺の事好きだったんだろ?」
そりゃあ、先輩のこと好きだったけど……
こんなことって――
「じゃ、後は好きにしていいから」