くらげ
ユウジは真剣そのものだった。

(こんなに真剣なユウジの顔、初めて見るかも?w)

長い間ユウジとつるんでたけど、車・バイク関係はお互い、不可侵条約というかあまり触れないでいた。

でも、今回俺が車の免許を取ったとき、一番喜んだのはユウジだった。



最終コーナーを抜けた直後、頭上の道路表示の看板に合わせて、ユウジは時計を止めた。

「2分53秒か… まぁまぁだな」

ユウジはこっちを見てニコリとすると、スピンターンで車の向きを変え、ハザードを点けて停まった。

「まぁだいたいこんな感じだ。どうだ?四輪もけっこう速いだろ?」

「速いなんてもんじゃないよ。二輪と四輪ってだいぶ走り方が違うんだな…」

俺はカラカラになった声でやっと答えた。

「そうだな、タイヤが2倍だから、2倍楽かもな?」

「楽〜? 俺からすれば二輪のほうが楽だと思うよ。荷重移動だって本能的に身体でやっちゃうし…」
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