くらげ
「わかった…金は貸そう。但し、条件がある…」

「条件?」

「そうだ…今、内定している会社を辞退して、私の会社へ来い。来春、インドネシアの新工場が稼働する。そこの工場長として5年勤めてみろ。5年経ったら、辞めても、続けても、それは、お前の自由だ。」

「くっ… そんな…」

「そうすれば、無条件で1万ユーロ貸してやるぞ。今日にでも送金してやるが…」

「ちょ、ちょっと考えさせてくれる?」

「そうか…気持ちが決まったら、連絡しなさい。

ところで…正月はベルリンに来るのか?」

「多分、無理。卒論の追い込みだと思うから… 追加実験もあるしね。」

「そうか…母さん、寂しがるな…」

その後、近況を話したり、お袋が電話に出てきて、何かイロイロ話したけど、ずっと上の空でよく覚えていなかった。



そして…



夜中、再び親父に電話をして、条件をのむ事を伝えた。
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