恋のありかた

これは、ただの独占欲という、醜い感情だ。

私は三月を自由にしてあげるべきなのに

泣くなんて

抱きついてしまうなんて

どうかしている。


「……うん」

「一緒に帰る?」

「うん……っ」


だけど

言葉が

三月の言葉が

重くて

温かくて


まひしてしまいそうなほど


心にきた。


また、私は、三月をどんどん傍に置いておきたくなるんだろうか


あんな言葉をもらってしまったら


私は、


ますます……


おかしくなってしまいそうで

醜く、なってしまいそうで。

三月につけた、言葉の鎖をぎゅっと握りしめたまま

離せなく、なりそうで。
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