恋のありかた
5 ...別れ

“好き”

その一言が、こんなにも重いとは思わなかった。
言わないでと言ったのは
三月をもっと傷つけてしまいそうな気がしたから。

もう十分すぎるほど傷つけたのに
三月はそれでいいと笑ってくれた。


「ドエムなの?」


聞けば、そーかもーってまた笑っていた。

傷つけると分かっていながら
握りしめた鎖を離そうとしない私の心は
どんどん黒くなっていく。


いつか、なんて言っていいのなら
私の思いは、いつか……
好き、になるのだろうか。


それも好きの感情の一つだよ
形が違うだけで、
俺はそれでいいと

三月は優しすぎるから、そういう事が云えてしまうんだ。


繋がったのに、さらに分からなくなって

私は一体どこを目指して歩いているのかさえ
分からなくなってしまいそうで。




――それでも、幸せだ。




汚れている。
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