恋のありかた

 面倒な事は翌日すぐに起こった。
学校へ行く途中、襲われた。数人の男に囲まれて勝てるすべもなく、どこか知らない場所へ連れていかれた。
どいつもこいつも頭の悪そうな顔をして、ニヤついている。これから起きる事の予想はついた。
……震えが止まらない。唇を噛んで俯いた。
予想はできたものの、怖くてたまらない。

「……もっとキャーとかいうのかと思ったけど、何コイツ冷めすぎじゃね?」
「慣れてんのか?」
「あーかもなー。唯の情報だとそれっぽいし」
「なら早くね?ちゃっちゃとしちまおーぜ。」

ボソボソと仲間内で話す内容に背筋が凍りつくかと思った。
乱暴に連れていかれたせいで、顔はボロボロ、制服はところどころ擦り切れている。
手を後ろに回され、縄で拘束されているせいで逃げるにも逃げられなかった。

「えーとぉ?セツナちゃんだっけー?」

リーダー格っぽい男が話し終えたのか、輪から抜け出してこっちへ来た。
しゃがみこんで汚い顔を私の顔に近づける。

「…だったら、なんだよ。」

「あ?何その口のきき方。自分これからどーなるかわかってんの?」

ぐっと頬を掴まれる。力任せなのか物凄く痛い。

「やるならやれば」

助けは望まない……怖いけど、これで終わりならそれでいい。
自分への罰だと思えば軽いかもしれない。
まさか、初めてをこんな奴に捧げる運命にあるとは思わなかったけど
思わず笑ってしまう。

「何笑ってんだよ!おい!やれ!」

「お前はやんねーのかよ、租チンだから自信がないのかな?」

バシッと鈍い音と、鋭い痛みが頬に走った。
身体が横に倒された。

……痛い。

こういうときにも可愛くなれない。なる必要はないけど
相手を怒らせる言葉ばかり口走ってしまう。

助けて、なんて。誰に言えばいいのか分からないよ。

「なめんじゃねーよ。オイコラ。お前らやっぱいーよ。俺が先にやる。」

髪を掴まれて無理やり仰向けにされる。
それから何発か殴られた後から記憶がなかった。
< 27 / 32 >

この作品をシェア

pagetop