恋のありかた

「は?」


「私、あんなのにヤられた位で泣くような弱い女じゃないし。」

「セツ、いい加減にしろって。どうしたんだよ、落ちつけよ」

「落ち着いてないのは、三月の方でしょ?言い出したのは三月なんだから、消えて。」



 手が、体が震える。吐き気と目まいもする。
三月の泣きそうな切ない顔が、胸を締め付ける。

私は、どんな顔をしているんだろう。


「消えてくれないなら、私もう行くから。あ、これ上着。ありがとね」


持ってきていた紙袋を三月に押しやると三月は力なく受け取った


「……いい恋愛しなよ。いつまでも遊んでないでさ。」




 あとは、ひたすら、



走って、走って、走って、走って



 大声で、泣いてた。






 こんな形で





 私たちは、離れていった。





 愛する人を




 失った傷は





 あの日、受けた傷よりも





 ずっと、痛かった。








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