おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
 ああ、サツマイモ味噌汁飲みたいな……。



 アタシがそんなことを思っていると、どこかで、頻繁に鼻をすする音が聞こえる。


 うるさいから、辺りを見回してみると、その音の主は意外にも近くにいた。



 大樹だ。大樹がすすり泣きしているではないの!


「ど、どしたの?」

 と大樹のカラダを揺さぶっても、すすり泣くばかり。

「と、と、とりあえずさ、屋上行こう!ここ、教室だよ?皆見てるからさ。ホラ、早く立って」


 大樹は全然立とうとしない。


 仕方がないから、アタシは大樹の腕を掴み、無理矢理立たせて、そして二人急いで教室を飛び出した」






 屋上のついても大樹はまだスンスン言っている。



 アタシ達は腰を下ろした。


「ねぇ。どしたの?急に」

「悲しいよ………」

「は?何が」

「恭子さんが死んじまったからよぉ……」



 アタシは唖然とした。

 大樹の口からそんな言葉が出ると思わなかった。


 金髪で、耳に派手なピアスして、思い切り腰パンして、眉毛がものすごく細い、そんな男が、恭子さんが死んだから泣いてるのよ。悲しくて泣いてるのよ。
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