おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
「でも大樹さ、恭子さんに会ったことないじゃん」

「……うん、ねぇよ。けどよぉ…すげぇ悲しいじゃんよぉ……」

「……アタシ、大樹の泣き顔初めて見たかも」

「オレも……初めて見せたかも」


 もう、泣かないで。って言っても無理だよね。こんな状況だもんね。


 はぁ……。何で家族であるアタシが泣かないで、他人である大樹が泣いてんだろ。

 変なの。


 まぁ、泣かないってゆうか、泣けないんだよね…。






 しょうがないじゃん。嫌いだったんだもん。ウザかったんだもん。



 でもさ、何であんな恭子さんだったのに、あんなに美味しいサツマイモ味噌汁が作れたんだろう。

 いつも口うるさくて、すごいキッチリしてたくせに、何であんなに優しい味が出せたんだろう。



 料理ってさ、性格が出るもんじゃないの?

 それは単なるアタシの思い込みだったのかな。
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