おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
 えーー。アタシってば味噌汁の作り方も知らないのぉーーー?ばっかじゃなぁーい?


 アタシはアタシをけなし、アタシはアタシにけなされた。


「何でぇー?」

 アタシは目を瞑って、作り方を何度も思い描いてみる。

 でもダメだ。


 何度やっても描かれるのは、作り方じゃなくて、完成した状態のやつばかりだ。


「完成品で、作り方を推定しろって?」



 ……しょうがない。やるしかないじゃん。やるしか。




 アタシはサツマイモを一口大の大きさに切っていく。


 うん。切るのは何にも問題ないんだ。

 でも、その後が…ね。




 全て切り終えた後、アタシは冷蔵庫から梅干しパックを取り出し、一粒を口に運んだ。

「んーー!すっぱー」

 今のアタシの顔はたぶん、いや絶対、梅干しみたいにしわくちゃだな。



「やっぱ、無理かぁ……」

 梅干しの刺激で作り方が思いつくかなと思ったけど、ダメだった。

 なんとなくそんな気はしてたんだけど。

 
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