おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
「あっ、そうだ!」

 確か恭子さんの部屋に、料理本がいっぱいあったはずだわ。


 


 アタシは恭子さんの部屋に向かった。


 戸を開けた瞬間、ヒュル~っと冷気が通り抜けたような気がした。


「なーんか、怖っ」


 もう、使われてない部屋。

 なのに、何故だろう。

 まだ、誰かいるような感じ。


 あっ、そっか。

 この部屋片付けられてないんだ。

 たぶんあの日のままなんだろう。





「あ、あったあった」

 部屋の隅にある本棚のもとへ駆け寄り、どれがいいか詮索してみる。


「ん?『家庭料理百選』…コレいいじゃん」

 アタシはそれを開き、目次を見る。

「味噌汁味噌汁味噌汁味噌汁………えぇっとぉー味噌汁はどこだぁー?」

 指で辿りながら見ていく。






「ない!!!」

 何で?何でないの!

 家庭料理百選だよ?

 味噌汁って、家庭料理の基盤とでもいうのかな。でもそんな感じじゃん!

 何でないのよ。

 この本、腐ってんじゃないの?
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