おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
「静香ぁぁぁ!!」

 叫んだのは親父だ。

「何ぃぃー?」

「晩飯食えっ!」

「えぇー何でぇー?私、お腹いっぱいだもーん」

 ちょっと、コギャル風に返してきた。

「家に連絡してこなかったお前が悪い。食えっ!」

「それはごめんなさぁーい。でも私ホントにお腹いっぱいだもーん」

 静香がそそくさと二階に上がろうとした。

「食わないと殴るぞ!」


 その言葉に静香の足は止まった。


 少しの間沈黙が流れた。


「分かったよぉ。食べればいいんでしょ、食べれば」



 親父は「ほっ」とため息をついた。

 雄介も「ほっ」とため息をついた。

 そしてオレも「ほっ」とため息をついた。



 三人とも考えていたことが同じだった。




 親父も「ここは自分が」と思ったんだろう。


 オレや雄介が言っても頼りないからね…。

 
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