おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~

内臓崩壊

「おい!お前今日テンション低くねぇか」

 昼休み、友達の健太がカツサンド片手にオレに話しかける。


 三年生のクラス替えで最初にできた友だ。

 それからずーっと一緒にいる。

 ウザいところもあるが、なかなか憎めないキャラだ。


「悪いな…。オレ朝から、っというか昨日の晩からカラダの具合、悪いんだ」


 昨晩も無理矢理アレを全部食わされるし、今朝も「創作料理パートツー!」だとか言って、チョコレートおにぎりと超ミックスドリンクを出してきてさ。

 無理矢理腹の中に入れたんだぜ。

 もう、オレの胃は崩壊状態だよ。

 ううん。胃だけじゃねぇ。

 内臓全体が崩壊だよ。ぐちゃぐちゃだよ、もう……。

 グルグルグルグル…すんごい波打ってる。

 波浪警報発令中だよ!



「大丈夫かぁ?風邪でも引いたか?ま、もうすぐ冬だしな。季節の変わり目の体調不良ってとこだろう」

「うぅーー……」

「あ、それか大学受験でストレス溜まってるとか?」

「うぅーーー………」

「でもな。今、体調悪いのはまだ幸運だぞ。本番に体調崩したらぁ、もう!えらい事になんぞ」

「うぅ…」

「俺なんか、この学校の入試の時、運悪くインフルエンザにかかっちゃってよ。保健室で、ゼェゼェ言いながら受けたんだ。死ぬかと思ったよ。でも、受かって良かったよ!アハハハハ」



 
 健太…。そりゃあ大変だったな。

 でもな、今のオレも大変なんだ。

 そりゃあ、インフルエンザには叶わないと思うけどよぉ…。

 でも、とにかく大変なんだ。



 
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