おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
 健太には分からないだろう。
 
 オレが今どうゆう状況か。

 
 
「なぁ、お前のこのコロッケサンドとバナナとイチゴミルク貰っていいか?」

「はいぃー?」

 オレは、健太のその呑気さに呆れて、机にバタっと伏せた。

 何でこんな時にそんなことが言えるんだ。

 何て言うのかなぁ…。

 もっと心配してほしいとは言わないが、もっと気の利いた口調でしゃべれないのか?


 まぁ、健太だからしょうがないか……。


「なぁ。お前どうせ食わねぇんだろ?」

「………」

「おい!聞いてんのか?貰うぞ」


 オレはうなずいた。

 うなずくのも精一杯だった。



「お前も相当病んでんなぁー。ハハハハハハ!」



 いやいや…。笑い事じゃないんですけど。

 まぁ、傍から見たら笑えることなのかもしれんが。



「受験が近いにしてもよぉー、睡眠はちゃんと摂った方がいいぞ」


 受験て決め付けてるし……。

 睡眠?当たり前のこと言うなよ。

 その後、「運動と栄養もな」とでも言うんだろ。


「あと、運動と栄養もな。バランス良いのが一番だぞ」


 やっぱり…。


 悪いが、オレの具合がこうなのは受験が近いからじゃねぇんだ。


 創作料理のせいなんだ!
 
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