白衣の先生
その子は、大人の彼氏がいる子だった。



『彼女居るのに、彼女差し置いて、助手席に乗る女とか、ありえなくない!?』



『確かにー。助手席は、彼女の席だもんね』






だから、私は、先生の助手席には乗れません。



いつか……いつか乗りたいな……



先生の隣に……。




「で……家どこ?」



先生の声に、我に返り、慌てて家の場所を教えた



「なぁ、安藤は彼氏おるん?」



友達のように聞かれ、一瞬時が止まった



「はい?」



先生は、ミラーで私をチラッと見たあと口を開いた



「いやぁ……生徒手帳にゴム挟まっとったから」



「あ……いえ。えっと……おまじないなんです」



私が言うと、先生は聞かせてと、先を促した



「生徒手帳に、挟んで持ち歩くと彼氏が出来るって……あ」




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