白衣の先生
寝てるであろう彼女に気を遣って、静かにドアを開けた。



「大丈夫かぁ~?」



そっとカーテンを開けると、目に映った彼女に言葉が出ない。



泣いたんか……?



頬に涙のあとが、一筋。



「安藤……?大丈夫。大丈夫やで……」



ベッドの横のパイプ椅子に座り、彼女の髪を優しく撫でた。




何度も「大丈夫や」と言いながら……。






「行かないで……」



小さな小さな声で呟いた彼女に、俺の手が一瞬止まる。



「大丈夫やで。どこも行かへんよ」



しばらく髪を撫で続けた。





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