白衣の先生
保健室をグルッと見渡し、また窓を開けた。



「なんで春は、こんな甘い匂いさせるんやろな……。ワクワクしてしゃーないやろ」



独り言を言いながら、俺はまた伸びをする。



そして18時……奴はやって来た。


「沢田く~ん!!!迎えに来たよー!!!」



出た……。



「紺野先生……今日は、もう上がりですか?」



「うんうんっ!!!さ、行こう」



紺野先生は、俺の背中を叩きながら、自分のバッグをブンブンと振った。



高校生みたいやな……



緩みそうになる口元を押さえ、保健室を出た。




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