シィ君のサンタクロース
ツリーの後はお部屋の飾りつけに取り掛かった。


窓にスノースプレーで、サンタやトナカイの模様を描く。

バルーンを膨らませたり、モールを壁にかけたり。


「なんか学祭、思い出すねー」


思わずそんなことを口にした。


「ほんまやなぁ。懐かしいな。お化け屋敷の絵、二人で描いたよなぁ……」


「そうそう!! 渡り廊下で! 一緒にたこやき食べた」


「あん時、千春、ほっぺたに絵の具つけてたよなぁ」


シィ君は楽しそうに笑い出した。


あの頃の記憶。

シィ君と同じ高校で過ごした日々は、全部宝物になって、今も大事にわたしの胸にしまってある。


シィ君もちゃんと覚えてくれたことが、たまらないほどうれしかった。




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