シィ君のサンタクロース
今度は二人でお料理開始。

といってもあらかじめ家でローストチキンを作っておいたので、それをメインにして。


後はサラダやオードブル、それからスープを用意するだけだった。


シィ君は「料理なんてほとんどしたことない」って言ってたけど、結構楽しそうにやってる。


慣れない手つきで、野菜を切ってくれた。

エプロン姿も結構似合ってるなぁ……

なんて思って、わたしは勝手ににやけてしまう。



ケーキもスポンジ台は家で焼いてきていたので、二人で生クリームやフルーツで飾りつけ。


シィ君は「オレのセンスに任せろ」といって、ホイップクリームを絞り出していた。



そんな姿を見ていると、ふいに


『結婚したら……こんな感じになるのかな』


なんて妄想してしまい、顔がカッと熱くなった。


もぉ、何ヘンな妄想しちゃってんだ。


きっと他人からすれば、おままごとしてるみたいに見えるだろうな。



それでも今のわたしには、彼と過ごす時間が全てだった。


これ以上のことはないと思えるぐらい、二人の時間が大切だった。


< 16 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop