シィ君のサンタクロース
「きゃ……」


一瞬、貧血を起こしたのかと思ったけど、どうやらそうではないらしい。


え……。

ウソ。

これって、停電?



ど、どうしよう……。


真っ暗で何も見えないよぉ……。


焦って、手当たりしだい周りにあるものを触っていると、フッと体が開放された。


体に巻きつけていたタオルが床に落ちたのだ。


タオルを拾おうと床にしゃがみこんだ時




「千春? 大丈夫?」


脱衣所の外からシィ君の声がした。


「ちょっと開けんで」



扉が開く音がした。



「えっ、えっ。ちょ、ちょっと待っ……」
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