シィ君のサンタクロース
「たしか、ここにブレーカーがあったはず」



シィ君はそう言いながら脱衣所の壁を照らす。


「ああ。あったあった」



シィ君が手を伸ばして、そのスイッチを上げようとする。


その瞬間、今までぼんやりしていた頭が急に冷めて、ハッとした。



「シィ君! ダメ!」



「え? なんで?」


暗闇の中、シィ君の声だけが響く。


彼が今どんな顔をしているのかは見えない。




「わたし……まだ服着てへんから……」



「え?」

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