シィ君のサンタクロース
「これって、ハロッズのイヤーベア?」



それはイギリスの百貨店が毎年販売しているテディベアだった。


年によって、テディベアの種類はもちろんのこと、着ている服が違ってたりするのだ。



左足の裏には、ハロッズのロゴと製造された年号が刺繍されている。


わたしが手にしているベアには、もちろん今年の年号が刺繍されていた。



「サムい……とか言わんとってな」


シィ君は照れながら言った。



「オレらが付き合い始めた年やから……今年は。特別やろ?」



その瞬間、泣きそうになった。
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