シィ君のサンタクロース
高校3年間。


わたしはずっとシィ君に片思いしてた。


その想いがやっと通じた年。



きっと一生忘れない、特別な年。



シィ君もそんな風に大事に思ってくれてたんだ。



「ありがと……一生大事にする」



そう言って、テディベアをまたギュっと抱きしめたら、今度はテディベアごと、わたしの体までシィ君に抱きしめられた。


「幸せすぎて……倒れそう」



シィ君の腕の中でそう呟くと。



シィ君は「大げさやなぁ」ってクスクス笑ってた。



――あれ?



その時、胸に何か硬いものがあたっていることに気づいた。

< 45 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop