夕暮れの月
「お前らうるさい。
 授業始まるぞ。」

横をそう言って通り抜けていったのは満月だった。

「あ、本当だ!!
 ヤバい 美羽 行こっ?」

「うん。」

美羽の顔は『何あんたチャンス自ら手放してんの!!』って言ってる感じで怖い…。

だって授業に遅れたらヤバいじゃん!!

あたし理数系苦手だから せめて授業態度は良くしないと大変なことになるんだもん…(泣)

「満月も遅れちゃうから急いだ方がいいよ~?」


これがあたしの精一杯。

でも満月はいつも何気なく優しい…。


「おぅ。…まぁ俺はお前程バカじゃないから大丈夫だもんね~♪」


…前言撤回…。


「どぉせ あたしは バカですよ~っ」


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