Age


「下駄箱の人だよね、覚えてる?あたしのこと」
「うん」
「そっか、嬉しい」

美和はまた微笑んだ。
公弥は忘れるわけない、という言葉を胸の中にしまっておいた。

「(なんか、向日葵みたいだ)」

「美和――、どうしたの?」

彼女を後ろから美和の友達の黒髪の少女が呼んだ。
美和は少女の方を向き、ちょっとゴメンね、と呟いた。

「あたし戻らなきゃ」
「あ、そうか」
「うん、そういえば君の名前は?」
「……津嶋 公弥」
「津嶋 公弥くん?あたし佐倉 美和。7組だよ、よろしくね!」
「うん、俺1組だから」
「そっか、またね!津嶋くん!」


美和は小走りで教室の友達のもとへ戻り、公弥はトボトボと昇降口に向かって歩いた。


「(……やっぱ、俺馬鹿だ)」


「何泣きそうになってんだよ……」




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