クリスマスの甘い約束
外見や性格はもの凄く変わったくせに、どうしてあの笑顔だけは変わってないのよ…
あの私の大好きだった笑顔だけ…
赤くなった自分の顔を手で押さえながら、チラッと仁志を見た
私の視線に気が付いたのか、こっちに向かってまたニカッ笑った
その瞬間、私の心臓がキュンッと音を立てた
って、立てちゃ駄目ーーー!!
「そ、そういえばなんでこっちに戻ってきたの?北海道楽しくなかったの?」
私は話を逸らし、自分の慌てる鼓動を隠した
「んっ…別に…ただ…」
「ただ…?」
愛しそうに私を見つめてくる仁志、もしかして…
「都会の女の子にも興味があって」
「あっそ!!」
また仁志に背を向けて歩いた
聞かなきゃよかった…イライラする…
ちょっとでも『私との約束のために帰ってきてくれたの…?』なんて考えた私が馬鹿だった
どうせ仁志は昔の仁志じゃないもん!!
昔の約束なんて忘れてるよね…