クリスマスの甘い約束
部屋から出ると、目の前には心配そうな顔で私を見る仁志
「な、何…?」
「やっぱり、目が赤い…。本当に何かあったの?」
…っ、なんでそんな心配そうな顔…するのよ…
「な、なんでもないよ。ちょっと映画で号泣しちゃって、それより早く下行こう」
映画で号泣なんて、そんなのあるはずないんだけど、この状況から逃げ出すのはこの手しかない
「う、うん…」
…本当にやめてよね…そんな本気で心配してるような目で私を見るのは…耐えられなくなる、抑えきれなくなる…
学校に行っても、ボーっとしたまんま
たまに目に入ってくる、仁志が他の女の子たちと楽しく話している姿
見たくないのに、自然と目に入る
やっぱりイライラする、昨日よりもイライラするし…
「良嘉?どしたの?そんなブルドックみたいな顔して…。可愛い顔が台無しよ」
「誰がブルドックだ!!」
隣でポッキーを食べている実花子を睨んだ
もうちょっといい表現はないの?ブルドックって…
「だって、仁志君見てて顔がちょうヤバイし…」
「うるさい、余計なお世話」