クリスマスの甘い約束



誰が行くもんか…あんな男のところなんて



布団に潜って、携帯を握った



昨日だってそう言われて、あんな光景を見たんだ



今日だってきっとそう…もう苦しい思いはしたくない…



それに今日はすっごく寒いし、ずっと待ってるなんて無理



きっとすぐに帰ってくる…だから…行かないの…



そっとまぶたを閉じた







『ちょっと、仁志!!なんでこんなところにずっといるの?』



『だって…良嘉ちゃんが中々来ないんだもん…だから…ふぇ…』



『あぁ!!ごめんね、ちょっと意地悪しちゃって…。本当にごめん!!だから泣かないで、ね?』



『…うん、良嘉ちゃんがそう言うなら。泣かない』




パチッ



布団からすぐ起き上がった



さっきのって…夢…?でも、あれって…



昔、仁志と待ち合わせしてた時、なんかイライラしていて行かなかった事があるんだ



夜になってさすがに帰ってるかって思って、仁志の家に行ったら、仁志はまだ帰ってきてないって言われて…



真っ先に待ち合わせ場所に行ったら、そこには馬鹿みたいに私を待っている仁志の姿




不意に視線を窓の外にやったら、外はもう真っ暗だし、なんか白いものが空から降ってきてる




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