クリスマスの甘い約束
大好きだった仁志
私は呆然とベンチに座りながら、実花子を待っていた
なんか泣きたくなってもいいはずなのに、涙が出てこない
そりゃあ、10年も前の事だもんね
人も変わる…
それでも、ずっと夢見てた
大好きな仁志といつか恋人同士になって幸せになるって…
でもそれは昔の仁志限定
今の仁志にはそんなことされたくない
あんな奴の事を10年も好きだったなんて
ブラボーだよ、私!!
よく青春を踏みにじってまで純愛を貫いた
だけど…意味がなかったんだよね
仁志はもうあのころの仁志には戻れないんだ
もうあんな奴好きでいる必要なんてないよね
新しい恋…見つけてもいいよね?
「良嘉ー、見てこんなに…。何で泣いてるの?」
私…失恋しちゃったんだ…
人目も気にせずに私は声を上げてわんわんと泣いた