恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
うつむき気味の、その表情がヤケに辛そうなソレだった。
「ちょっと話があるの……こっちに来てくれないかな……」
あたしは彼女に言われるまま、女性職員用の更衣室に入った。
「なんですか? 話って…」
「えぇ……」
なんだか、ものすごく言いにくそうだった。
「ひょっ……ひょっとして……あたしの心臓に……い、異常……が見つかったとか……」
不安な気持ちにかられ恐る恐る訊くあたし。
「そうじゃないわ……検査の結果は明日にならないと分からないし……」
「じゃ、じゃあ、なんですか…? 早く話してください。すごく気になります」
すると彼女は覚悟を決めたようにようやく切り出した。
「あなたにお願いがあるの……」
「お願い……ですか?」
「そう、どうしても頼みたいの……」
「…?」