恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「…って!!」
「そして、他のオンナに渡したくないからよ」
「そ、そんなっ…」
「理由は話したわ……これでいいかな?」
「“いいかな”って……いいわけないじゃないですかっ」
「でも、カレもわたしを愛してるわ」
「勤さんがあなたのことを!? ヘンなこと言わないでくださいっ」
「ウソじゃない……ウソで、こんなこと言えないし」
「え……でも……」
そこから先の言葉が浮かんでこなかった。よく“頭の中が真っ白になった”って表現があるけど、そのときのあたしの頭の中こそ、まさに一面の雪景色のように真っ白だった。
「もう分かんないっ! あたし、バカだし、高卒だし……今の状況がどーいうことなのか、あたしには全然理解できないですっ!! なんか、もうワケ分かんないですっ!!!」