恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~


そして“悲劇”が起きた。


いや、それは相手チームサイドからの表現。

ウチのチーム的には“喜劇”と表現するべきだ。

もう試合が終わると思ったのか、油断していた相手チームの反応が遅くて、剛の放ったロングシュートは誰にも邪魔されずに吸い込まれるように相手チームのゴールに飛び込んでいったんだ。

“ピピィーーーーッ!”

ゴールのホイッスルが鳴った。

「ワアアァァァー!」

明東大学サイドの応援席が最高潮に湧き上がった。

「あ~ァ…」

落胆の声を上げる相手チームの応援席。

そして愕然として、その場にしゃがみこむ相手チームの選手たち。


“ピィーーーーッ!”


そして次の瞬間、試合終了のホイッスルが鳴った。

勝った!
< 123 / 227 >

この作品をシェア

pagetop