恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「す、すぐに警察が来てくれる、って…」
「…!!」
オロオロする誠志郎さんに、あたしは正直ガッカリした。
「ケーサツが来る前にマリヤが連れ去られたらどうすんだよ! お前、明東大の守り神だろ!? 守り神ならマリヤを守れよ!」
「そ、そんなこと言われてもよ…お、俺は生まれてから一度も殴り合いのケンカみたいのはしたことねぇし…」
「いいか、オレ様はお前ほど頭よくねぇけど、一つだけお前に教えてやれることがある!」
「俺に教えること…?」
「いつも言ってるじゃねぇか! “やらずに後悔するよりも、やって後悔するほうがマシだ”って!」
そーいえば剛はことあるごとに、その言葉をクチにしていた。
考えてみれば、さっきのサッカーの試合だって、試合終了の最後の最後の最後の瞬間まで諦めないで流星シュートを決めたから、明東大は勝つことができたんだと思う。
「今ここでマリヤを守ってやっとかねぇと、お前、一生後悔することになるぞ!」