恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「お、お前、まだそんなところにいたのかよ……は、はやく…早く逃げろっ……」
歩道の上にぐったりと仰向けに倒れた剛が苦しそうに言う。そしてその剛をなおも相手チームの選手たちが踏みつける。
「早くそのヒトに謝んなよ! そーすれば、そのヒトだってもう許してくれるよ!」
「あ、謝るくれぇなら……し、死んだほうがマシだっ…」
上半身を起こしながら、声を絞り出すように言う剛。
「バカ言わないで!」
「お、オレ……マリヤのこと……す、好きだからっ……」
「なっ、なに言ってんのよ、いきなりっ!?」
まさか、こんな状況でコクるなんて。
剛のバカ。状況を把握しなよ、状況を。
「お、お前のためなら死んでも……死んでも後悔しねぇ……っつーか……す、好きなオンナを守って死ぬなんて……さ、サイコーにカッコよくね?」
「バカっ!!!」