恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
でも……。
いくら剛がバカでも、この状況でふざけて冗談を言ってるとは思えない。
…ということは、剛はホントに……。
でも……それでも――――
「ごめん…あたし、ほかに好きな…」
「オレにはお前が必要だっ!」
まだ、あたしが言ってる途中なのに、剛はそんなことはおかまいなしだった。
「他のヤツなんて考えられねぇ! お前じゃなくちゃダメなんだっ!」
剛はおなかの底から、心の奥底にあった想いを一気に吐き出したみたいだった。
「マリヤと出逢ったから今のオレ様がいるんだっ! もう、お前ナシで生きてく人生なんて想像できねぇんだよっ!」
「剛……」
会うといつもケンカばかりしてたけど、あたしのこと、そんなふうに思ってたなんて……。
あたしはちょっと呆然としちゃったけど…、
「そ、ソレって冗談じゃないんだよね…?」