恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「変わったな……3年会わないうちにキミはすっかり変わってしまった……」
「変わってないよっ。あたし、3年前からずっと誠志郎さんのことがっ…」
「ごめん!」
あたしが言うのをさえぎって彼が言った。
「悪いけど、今の毬ちゃんを嫁さんにすることはできない。したいとも思わない」
冷酷なくらいにキッパリと言う彼。
「そんな……」
あたし的にはまったく想定外の展開で、かなり凹んでいた。
ずっと自分の好きだった女のコから「結婚して」って言われたら、絶対喜んでくれると思っていた。
「さよなら……毬ちゃん……」
彼はそう言って穏やかな表情で微笑むと、あたしを公園にひとり残して、黄昏色の町並みへと消えてしまった。
“カツ…、カツ…、カツ…”
あたしは、辺りに響く杖の音がだんだん小さくなって、やがて聞こえなくなるまで、ひとりぼっちで立ち尽くしていた―――――