恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「なに言ってんだよ。せっかくスイートまで予約したのに」
「ごめんなさい、今日は無理…」
そう言って立ち上がろうとしたとき、急に目がくらんでよろけてしまった。
「うっ…」
「ホラ、言わんこっちゃない」
慌てて駆け寄ると、あたしの体を支えてくれる彼。
「だから横になったほうがいい、って」
「でも……」
「そんな足取りで、どうやって帰るっていうんだ」
「…!?」
目の前の景色が全部グルグル回っている、いや、回っているのは、きっとあたしの目玉のほうだ。
「さぁ、僕のいうことを聞いて、おとなしく横になるんだ」
やさしい言葉とは裏腹に、強引にベッドに押し倒そうとする彼。
「やめてっ、無理だって」
抵抗しようとするけど、酔って頭がフラついてるせいか、手にチカラが入らない。