恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
第12話「今と過去との交差点」
12月24日、たぶん時間はまだ午後10時にもなっていないと思う……。
ホテルの外の空気は、師走の夜らしくヒンヤリとしていたけど、暑すぎた部屋の暖房と、激しい感情の高まりのせいで、熱く火照っていたあたしの体は肌寒さを感じなくて、逆に心地よい涼しいさえ感じていた。
そういえば急いで飛び出してきたせいで、部屋にコートを忘れてしまった。
だけど今さらノコノコ部屋にコートを取りに戻ることなんてできないし、今あたしの中には“早くココからいなくなりたい!”という思いしかなかった。
だから1台のクルマも見えない交差点で、赤信号をじっと待ち続けることさえガマンできなくて、あたしは歩行者用信号を無視して道路に飛び出してしまった。
だけど、横断歩道の真ん中あたりまできたところで…、
“プッ、プッーーーーッ!!”
…と、けたたましくクラクションが鳴らされ、あたしは心臓が止まりそうなほど驚いた。
反射的に音のしたほうを見ると、十数メートル先の向こうから、目を開けていられないほど眩しいヘッドライトをフラッシュさせて、猛スピードのクルマが突っ込んでくるところだった。
ホテルの外の空気は、師走の夜らしくヒンヤリとしていたけど、暑すぎた部屋の暖房と、激しい感情の高まりのせいで、熱く火照っていたあたしの体は肌寒さを感じなくて、逆に心地よい涼しいさえ感じていた。
そういえば急いで飛び出してきたせいで、部屋にコートを忘れてしまった。
だけど今さらノコノコ部屋にコートを取りに戻ることなんてできないし、今あたしの中には“早くココからいなくなりたい!”という思いしかなかった。
だから1台のクルマも見えない交差点で、赤信号をじっと待ち続けることさえガマンできなくて、あたしは歩行者用信号を無視して道路に飛び出してしまった。
だけど、横断歩道の真ん中あたりまできたところで…、
“プッ、プッーーーーッ!!”
…と、けたたましくクラクションが鳴らされ、あたしは心臓が止まりそうなほど驚いた。
反射的に音のしたほうを見ると、十数メートル先の向こうから、目を開けていられないほど眩しいヘッドライトをフラッシュさせて、猛スピードのクルマが突っ込んでくるところだった。