恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
迫ってくる危険から逃れようと、体は無意識に反応したんだけど、おしゃれをしてヒールの高い靴を履いていたせいで、あたしは足をくじいて前のめりにコケてしまった。
“プッ、プッーーーーッ!!!”
ブレーキを踏む様子もなく、なおも迫ってくるクルマのライトがギラギラと眩しすぎて、もう目を開けていられなかった。
あたし、ここで死んじゃうんだ―――
「ねぇ、向こうでいっしょに応援しよ?」
突然、真昼のグラウンドのバックネット越しに、郁巳おねーさんが話しかけてきた。
コレって……何年かぶりで、おねーさんと再会したときの場面だ。
「今までいつも、ずっと遠くから見てることしかできなかったけど、でも、やっと会えたよ、勝利の女神さま♪」