恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
最終話「本当のキモチ」
「し、染みるぅ~っ!」
飛び上がりそうな痛みだった。
「ご、ごめん。でも消毒液が染みるのは傷口のバイ菌が殺菌されてる証拠だから染みるだろうけど、ちょっとガマンしてくれ」
12月24日 PM11:36
あたしと誠志郎さんは閉店後の喫茶店・屯(たむろ)に二人きりでいた。
マスター夫妻は、あたしたちをクルマから降ろすと、暖かいコーヒーと救急箱だけを手渡して…、
「ごゆっくり~♪」
…なんて言いながら、店舗奥の住宅フロアへと入ってしまった。
太ももの上にハンカチを乗せてカウンター席に座るあたしと、そのあたしの前にひざまずいて擦りむいた右膝の手当てをしてくれている誠志郎さん。
「まずいな」
「え、なに?」
「傷口の中のコノ黒いヤツ、石じゃね?」
「うん…でも、見ると気持ち悪くて自分じゃゼッタイ取れないよ……」
膝を擦りむいたとき、傷口に2ミリくらいの小っちゃな小石が入っていたのは、あたしも気がついていた。
飛び上がりそうな痛みだった。
「ご、ごめん。でも消毒液が染みるのは傷口のバイ菌が殺菌されてる証拠だから染みるだろうけど、ちょっとガマンしてくれ」
12月24日 PM11:36
あたしと誠志郎さんは閉店後の喫茶店・屯(たむろ)に二人きりでいた。
マスター夫妻は、あたしたちをクルマから降ろすと、暖かいコーヒーと救急箱だけを手渡して…、
「ごゆっくり~♪」
…なんて言いながら、店舗奥の住宅フロアへと入ってしまった。
太ももの上にハンカチを乗せてカウンター席に座るあたしと、そのあたしの前にひざまずいて擦りむいた右膝の手当てをしてくれている誠志郎さん。
「まずいな」
「え、なに?」
「傷口の中のコノ黒いヤツ、石じゃね?」
「うん…でも、見ると気持ち悪くて自分じゃゼッタイ取れないよ……」
膝を擦りむいたとき、傷口に2ミリくらいの小っちゃな小石が入っていたのは、あたしも気がついていた。