恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「分かった、分かった。聞いてやるから言ってみろよ」

女の涙には誠志郎さんも勝てなかった。たとえソレがウソ泣きだったとしても。

「嬉しいぃ♪ 聞いてくれるのぉ?」

あたしは目をキラキラさせて彼を見つめた。

「あぁ、聞いてやるよ」

ちょっと、うっとおしそうな彼。

「ホントに?」

「あぁ」

「ホントにホント?」

「本当だから、早く言え、って」

「“No”って言ったらダメだからね。“Yes”としか答えちゃダメだからね」

「分かってる」

「じゃあ、言うよ」

「あぁ」

小さく息を吸い込むと、勇気を振り絞ってあたしはこう言った…。



「誠志郎さん、あたしをあなたのお嫁さんにしなさい」


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