恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
目的もなく、意味もなく、ただなんとなく生きているだけの毎日。

それでいいとは思ってないけど、行く宛てもなくただやみくもに走り回るようなムダなことはしたくない。


でも、もし、ただひとつの希望があるとすれば、それは“もしかしたらあたしも18になれば杏奈さんみたいに幸せになれるかもしれない”っていう、かすかな、すごくかすかな希望だと思う。

今はダメだけど、18になれば幸せになれる。

それがあるからこそ、それだけが心の支えになって、今日まで死なずに生きてきたのかもしれない。


100歳まで生きたいなんて思わない。

夢が叶うなら死んでもいい。

ハッピーエンドなら、それでいい。


誕生日だからといって特に欲しいものはなかった。ただ“4年後……18歳になったら誰かあたしにハッピーエンドをプレゼントしてくれないかな”ってぼんやり思っていた。


でも、そんなあたしの気も知らず、なにをプレゼントしていいか分からなかった父は…、

「これで好きなものを買いなさい」

…って5000円札を1枚くれた。
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