恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

「よっしゃあーっ」

「やりぃーっ」

…などと口々に言いながら、軽い足取りでベンチに集まってくる選手のヒトたち。

「みんな、お疲れさま~♪ ホントによくがんばったね~♪」

慣れた手つきでみんなに次々とタオルをくばって回る郁巳おねーさん。



「ホラな、俺のいうとおりになったろ?」



そう言って、勝ち誇ったような笑顔を見せるひとりの男のヒト。他の選手たちはみんなおそろいの短パンのユニフォームを着てるのに、ひとりだけデザインがちょっと違うユニフォームを着て、おまけに長ズボンで手袋までしているせいで、さっきゴールを決めた金髪のヒトとは違う意味で目立つ存在。

「彼なのよ、“三つ編みの女のコが見に来た試合はゼッタイ勝つ”って言い出したのは」

おねーさんキャラの彼女がヤッパリ仕切る。

「紹介するわ。彼はゴールキーパーの“四方誠志郎”さん。人呼んで“明東大の守り神”」

「やべっ、俺、今ちょっと感動してるわっ」

“誠志郎”なんて歌舞伎役者みたいな名前してるクセに、ノリは極めて今風。

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