恋舞曲～雪の真昼に見る夢は…～

「今までいつも、ずっと遠くから見てることしかできなかったけど、でも、やっと会えたよ、勝利の女神さま♪」

「…!?」


“いつも、ずっと遠くからあたしのことを見てた”って……。

どこの誰かも分からないあたしのことをいつも見ていてくれたってコト？

名前も知らない、いつ現れるかも分からないあたしなんかのことを“勝利の女神”と思い込んで、ずっと来るのを待ってくれているヒトがいた……。

毎日顔を合わせているのに、クラスメイトは誰もあたしのメアドさえ訊いてこようともしないのに……。

あたしの全然知らないところで、どこの誰かも知らない男のヒトがずっとあたしを見ていてくれたなんて……。

こんなことってあるんだ……。

学校じゃ、特に親しいヒトっていなかったし、みんなあたしのことを“透明人間”みたいに思ってるんだと思ってたけど、そうじゃなかった。ちゃんとあたしのことを見つけてくれてるヒトがいたんだ……。

さっき、このヒト、「やべっ、俺、今ちょっと感動してるわっ」なんて言ってたけど、あたしのほうこそ、感動してるかもしれない。それも、かーなーりー感動してるかも♪