恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

「あぁ、確かに面白くないね。もしこれがプロ野球だったら、ヒーローインタビューを受けるのはオレ様だったんだからな」

“いつも自分が注目されてないと気が済まないなんてヤッパ子どもじゃん”って、あたしは思った。

それにしても郁巳おねーさん、金髪のヒトのこと、よく分かってるんだ。マネージャーなら選手の性格を把握するくらいは当然だってことなのかもしれないけど、でも、もしかしてアノ金髪のヒトになにかトクベツな感情を抱いているとか?

だとしたら、おねーさん、趣味が悪い。


「ま、どっちにしろ、お前、四方と握手しなくて正解だったぜ」

「え…?」

「ソイツに触られると子どもができる」

「ハ…?」

なんで真顔でそんなこと言うワケ?

このヒト、もし本気でオトコがオンナに触っただけで子どもができると思ってるんなら、本当に子どもだ。お子ちゃまだ。

いや、さすがにそこまで子どもじゃないよね。

どうやったら子どもができるかくらい小学生でも知ってる子は知ってる。

でも、このヒトの場合、ひょっとして……。
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