恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「あのさ、ちょっと気が早いような気もするんだけどさ、来月……ってか来年の1月×日の土曜日に、また練習試合があってさ。よかったら、また応援にきてくんねぇかな?」

「1月×日……ですか?」

「そ♪ なんか予定とか入ってる?」

「………」

予定なんてあるはずがない。

「勝ったらまたケーキおごるからさ、頼むよ、勝利の女神さま☆」

いたずらっぽい目をしてそう言うと、あたしに向かって手を合わせる彼。

「………」

でも即答すると、安っぽく思われるような気もして、だからあたしはもったいぶって…、

「まだ先のことだから分かりませんけど……なにもなければ行きます、応援……」

…と答えた。


「うそ!? やった! ありがとなっ!」

ホッとしたような顔の彼。

でも表情にこそ出さなかったものの、ホッとしていたのはあたしも同じ。

これで1月×日の土曜日の予定が決まったワケだし、これで一人きりの週末を憂鬱に過ごさないですむワケだから――――
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