恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「タダで恵んでもらうほどウチはビンボーじゃありませんし、それに今日は誕生日で父に5000円もらったんです!」

スカートのポケットに手を伸ばすあたし。

「えっ!?」

なんで? そこにあるはずのサイフがない。

立ち上がって、念のため反対側のポケットにも手を突っ込んでみる。

…だけど、ない。

次の瞬間、サァーッと顔から血の気が引いていくのが分かった。

「どうしたの? 青い顔して」

おねーさんが心配そうに言う。

「キミ、まさかサイフ落としたんじゃ…」

誠志郎ってヒトも心配そうに言う。

「今スグ探しに行こう」

金髪のヒトが立ち上がる。

「そうね、5000円っていったら大金よ」

おねーさんも立ち上がる。

「みんな、行こうよ。サッカー部のみんなで探したら、もしかして見つかるかもよ」

彼女に言われて、「おぅ!」と他のサッカー部のヒトたちも次々と立ち上がる。

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