恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「でもよぉ」
「それにお礼なら、もうしてもらう“予定”になってる」
「お礼をしてもらう予定…?」
「俺らの勝利の女神さまは、つぎの1月×日の試合も、応援しにきてくれるそうだ」
「おぉ~!」
「これで2連勝まちがいナシだな!」
「やりぃ!」
嬉しそうなサッカー部のヒトたちが口々に叫んでいるけど、あたしはその声にかき消されそうな小さい声でこう言った。
「あの……すみません……絶対、行けるかどうかはまだ分からないんですけど……」
「あぁ、そうだったな。来られるようなら来てくれればいいだけのことだから、あまり負担に思わないでいい」
誠志郎ってヒトはそういうとポンとあたしの片を叩いた。
「でも、あたし…分からないんです……」
「なにが?」
「なんで、あたしが見に行くと試合に勝っちゃうんだろう……って。あたし、別に超能力とかないですよ……」