恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

たしか、こーいうアタマのキレるヒトのことを“策士(さくし)”っていうんだよね?

「…というわけで、ウチのチームでいっしょにガンバロウ。俺らにはキミが必要なんだ」

でも、もしかしたらこのヒトは、単に自分のチームが勝つためにあたしを利用しようとしているだけなのかもしれない。

とはいえ、友達らしい友達もいなくて、いつも一人きりの週末を過ごしているあたしが、こんなにも必要とされてるのに、それを断るなんてすごくもったいないことだと思うし、なんかバチ当たりのような気さえする。


だからあたしは静かにこう言った…、

「じゃあ、1月×日……行けたら行きます」

…って。

「あぁ、無理しなくてもいいけど、来てくれたらヤッパ嬉しいし、来てくれることを楽しみに待ってるよ」

「…!」

あたしなんかが来ることでも、楽しみに待ってくれるヒトがいる。そう思うと、心の中までやわらいでしまう。これも甘くやさしいスイーツの副作用だろうか……。


「そんじゃさ、今日から彼女も俺たちの仲間ってことで、簡単に自己紹介とかしてみてくんないかな?」

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